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Cinema Pia インタビュー
- 2010/09/14(Tue) -
2010ChasePia.jpg

映画界で欠かせない存在となったARATAが、
カリスマ的な悪役に挑んだTVドラマ『チェイス 国税査察官』。
俳優生活10年の集大成とも言える本作に懸けた想いをたっぷり語ってもらった。


自分の中の壁を“壊して”未体験のフィールドへ

すでにデビューから10年が経っているのに、
映画界におけるポジションやイメージが固定されていない謎めいた俳優、それがARATAである。
主役をやってのけたかと思えば、小さな脇役もこなす。
自らの個性を強烈にアピールするわけではないのに、
いつの間にか“確かにそこに存在している”と思わされる神出鬼没ぶり。
気がつけばもはや日本映画界に欠かせない俳優となった彼が、
驚愕の新境地といっても差し支えないであろう役柄に挑んだ話題作が『チェイス 国税査察官』だ。
あの『ハゲタカ』を生んだNHK土曜ドラマ枠で放送され、大反響を呼んだ社会派エンターテインメント。
具体的な中身について聞く前に、07年まではほぼ映画だけに出演していたARATAが
TVドラマに関心を持つようになったきっかけを尋ねた。


「僕はもともと役者志望ではなくて、デビュー当時は右も左もわからない状態だったんです。
その頃は芝居より映画制作というもの作りの現場に興味があって、
役者としての心構えが全然固まっていなかった。
そんな僕にもできることは何かと慎重に出演作を選ばせていただきながら、
さまざまな監督や共演者との仕事で刺激を受け、
少しずつ芝居の面白さを発見してきたんです。
するとここ数年、新たな欲が出てきたんですよね。
自分が作品に参加してどんな楽しみを得られ、何を残すことができるか。
共演者とどんな化学反応を起こせるか。
つねに役者として大切にしているこれらの根っこの部分は何も変わっていませんが、
自分の中の壁を壊して、映画以外のTVや舞台などでも新しい挑戦をしたい
と思うようになったんです。
そんなとき偶然出会ったのが『チェイス…』でした」


激烈な感情がほとばしる悪役を生んだ“崩し”の芝居

ARATA扮する村雲修次は、“カリブの手品師”との異名を持つ天才的な脱税コンサルタント。
マルサ、すなわち国税査察官の調査の目をかいくぐり、
顧客のために巨額のマネーを自在に動かす裏社会の男である。


「脱税コンサルタントと聞いても最初はピンと来ませんでしたが、
役作りの入り口は意外にすっとクリアできましたね。
こういう役はあまり前例がないですし、身近にも存在しないので(笑)、
自由に想像して創っていいんだと割りきれたんです。
ある程度の軸さえ決めておけば、人によってどんどん芝居を変えていって、
様々な表情をのぞかせていける役なんですよね。
ただ台本の印象では、まるで絵に描いたような悪役に思えたので、
そのまま演じたら視聴者が飽きてしまうかなと。
だからこそ無機質、冷酷、無感情に見えるこの役柄を“いかに崩すか”が、
今回の僕のテーマだったんです」



ここで言う“崩す”とは、観る者の予想やイメージを“裏切る”ことにほかならない。
第1話ではいかにも非情なヒールとして登場する村雲は、
復讐や宿命の対決といった劇的なエピソードが濃縮された猛スピードのストーリー展開の中で、
驚くべき変容を遂げていく。
むろん善人になるわけではなく、破滅に向かって真っしぐらの壮絶なる悪役として!


「最終の第6話に向けて幾つも伏線を張っていける役だったので、
とてもやりがいを感じましたね。
一見感情が欠落しているようなこの男こそが、
実は最も感情に満ち溢れているんだということを、
言葉ではなくいかに芝居で表現するかが重要でした」



10年間の経験があったから主人公の奥行きを表現できた

キャラクターの内側から感情が溢れ出す。
これ自体はごく当たり前のことだが、ARATAが演じるとなると俄然インパクトが増す。
過去の映画出演作、例えば『空気人形』あたりを観てきた人はおわかりだろう。
ARATAは登場人物の感情を“説明する”演技を、ほとんどしない俳優である。
その彼が、かつてないほど激烈に感情がほとばしる演技の領域に踏み込んだことで、
村雲という悪役にただならぬ凄みが宿ったのだ。


「これまで映画で学んだのは、
芝居に説明とか答え合わせのようなものは必要ないということなんです。
僕らが普段生活している日常って、決して説明のつくことばかりではないし、
そうしたリアリティを表現するのが映画だと思っているので。
その点、今回の芝居は明らかに違います。
観客に何かを感じてもらうきっかけを作るのが映画の芝居だとすれば、
このドラマでは観る人にさまざまなことを考えてもらうように、
よりデフォルメした芝居で多くの要素を投げかけています。
この役は以前の僕では演じられなかったでしょうね。
10年間ゆっくり時間をかけて培ってきたことを生かせたからこそ、
村雲の奥行きを表現できたんだと思います。
これまで感情をあえて隠す芝居をしてきたぶん、楽しさをより楽しげに、
悲しみをより悲しげに、シンプルに演じられたこのドラマは、
役者として本当に勉強になりましたね」



取材中に印象深かったのは、内なる自己を“壊し”、役柄を“崩す”という試み。
端正な容姿、穏やかな口調とのコントラストを成すその挑戦的な言葉は、
まだまだいかようにも変わりうるであろう今後のARATAのさらなる活躍を予感させる。

『チェイス 国税査察官』/ARATAインタビュー
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